天守閣

天守閣にはキリシタン史料(1F)、郷土史料(2F)、民俗史料(3F)、天守閣・展望所(5F)がございます。

キリシタン史料(1F)

● 貿易・宣教時代のコーナーでは、華やかだったキリシタン文化や南蛮渡りの文物が展示されています。

戦国時代の終わりに、ポルトガル人が相次いで来航して、新しいヨーロッパ文化を伝えました。島原地方にもキリスト教をはじめ南蛮文化が栄えました。当時の領主・有馬晴信は南蛮貿易を積極的に進め、自らキリシタン大名となってキリスト教を保護しました。それで島原地方はキリシタン王国のようになりました。領内各地に教会が建てられ、有馬にはセミナリヨ(初等神学校)が、後では加津佐にコレジオ(高等神学校)が開かれました。当地の千々石ミゲルたち4少年は、はるばるローマまで旅立って、教皇に拝謁するという快挙を成し遂げたのです。この東西交渉史上の輝かしい1ページは、ここ島原から始まったのです。

● 禁教時代のコーナーでは、激しい弾圧の中でも信仰を続けた多くの証を集めています。

盛んなキリシタンでしたが、豊臣秀吉の宣教師追放令から始まる江戸幕府の禁教令と鎖国令によって一変します。激しいキリシタン弾圧が始まり、領民は棄教するか命を奪われるかの厳しい選択を求められたのです。このような厳しい時代の中にも、信仰の自由を守り通した人々がいました。そのような人たちを隠れ(潜伏)キリシタンといい、他人の目に触れないように、イエスやマリアの姿を他の像になぞらえて信仰を続けていました。隠れ(潜伏)キリシタン関係の収集資料としては全国的にも有名で、貴重な資料が多く展示されています。

● 島原の乱コーナーでは、全国を震撼させた一揆の様子を物語る史・資料を集めています。

有馬氏に代わって、松倉重政が新城主として入国しました。新城主は島原城を築城して、島原地方の治世を強力に推進した。しかし子・勝家(重次)の代になると、領民への苛政が続き、島原の乱が起こります。3万もの一揆農民をまとめた天草四郎の絵、3ヶ月にわたる激しい戦いを描いた攻防図、当時使われた手作りの槍や打ち込まれた砲弾など。原城跡に篭城した農民たちは全滅させられましたが、彼らが祈り続けたであろう黄金製の十字架は、その悲劇の目撃者です。乱の後、島原領南部一帯は亡所となりますが、次第に復興しました。しかしその後、厳しいキリスト教の取締りが行われました。踏絵や禁制立札、宗門人別帳などはそれを物語っています。

郷土史料(2F)

有馬、松倉、高力氏とめまぐるしく領主が変わりましたが、松平忠房が入国してからは200年近く安定した統治が続きました。領民の人心も安定し、文化や経済が発達します。
代々島原藩主は好学の士でしたから、その影響もあって文化や学問が栄えました。この郷土資料コーナーには、藩主や島原城関係の文物を展示しています。太刀の神気・神息は松平家の家宝で、御城の守り神でもありました。重扇の紋がつく鎧・冑や調度品は御殿で使用されていたものです。また家臣の甲冑を始め、免許・秘伝書などが寄贈、委託されて展示されています。豊かな郷土の歴史と文化の一端がしのばれます。これらの中でも白眉をなすのが人体解剖図です。島原藩校のひとつ、済衆館で医学を指導していた賀来佐之や御殿医・市川泰朴たちがシーボルトに学んだ西洋科学の知識を元に、解剖を実行して記録したものです。島原文化の高さを物語っています。

民俗史料(3F)

2階の郷土資料コーナーに続いて、ここには庶民生活上の文物を展示しています。島原地方の焼き物、島原藩兵の武器類、なんと南蛮渡りの象と京美人の人形もあります。懐かしい、昔のものがいっぱいで、しばらく時が止まったようです。

天守閣・展望所(5F)

島原の歴史ある街並みを360度満喫することができます。島原市内や眉山、海の向こうには、熊本の山々を展望することができます。

観光復興記念館

1Fの120人収容の映像ホールでは200インチのワイドスクリーンで、噴火活動の経過などを紹介する内容を15分程度上映しています。2F展示ホールは特別展や季節のイベント等の展示スペースとなっています。

西の櫓

全国の名城画などを展示しています。日本タオルに描かれた日本全国のお城の絵や各県の特徴あるさまざまなこけしを展示しています。

西望記念館

わが国の彫塑界の巨匠で、文化勲章を受賞された郷土出身の北村西望先生の米寿を祝して1972(昭和47)年に開館しました。先生の、1世紀に近い長い創作活動の軌跡をたどれる、世界でも類のない美術館で、その代表作品約70点を展示しています。彫刻家を志した若き時代の、たくましく力感あふれる独自の作品。大戦という激動の時代を生き抜いて、平和への希求を爆発させた平和祈念像。その平和にかけた願いは、私たちの心に強い印象を刻んでいます。還暦を超えてもなお力強く、若々しく再び歩み始め、新たな境地を示すその創作活動。先生の限りない創作活動には圧倒されます。屋外に展示されている大作は、島原城の四季折々の彩りに包まれていて、散策コースをたどる人たちに自由なアプローチに花を添えることでしょう。

民具資料館

明治、大正、昭和の暮らしが偲ばれる、なつかしい民具の数々を展示しています。

売店

島原の特産品や、郷土の味を楽しむことができます。
中でも人気が高いのが、上品な甘さのスイーツ「寒ざらし」と、さつまいもの粉で作られた麺料理「ろくべえ」、そして名物の「冷やしソーメン」です。