島原の乱で荒廃した島原をたてなおした

天正12年（1584年）に浜松で生まれる。武蔵・岩槻城（現在の埼玉県岩槻市）の城主、遠江・浜松城（現在の静岡県浜松市）の城主を各20年務める。

島原・天草一揆（通称島原の乱）の鎮圧後の、荒廃した島原の地を立て直すようにと幕命を受け、島原へ入封する。戦後処理は過酷であり、それに耐えうるのは忠房だけだと白羽の矢が立ったという。

島原に入封後は移民政策を行い、失った人口を補った。また、人心の慰めにと社寺仏閣の復興に務める。夏の風物詩である島原独自の精霊流しもそのうちの一つで、現在まで続いている。

また、長崎を訪れる外国船の監視や九州の外様の諸大名の監視も担った。

島原城、そして現代へ続く島原のまちを築き上げた

天正2年（1574年）生まれ。元々は伊賀（現在の三重県）の領主であった筒井定次に仕え、8000石を領していた。1600年の関ケ原の戦いでは井伊直政軍として活躍。その武功を認められ、大和・五條（現在の奈良県五條市）１万石を与えられる。大坂の陣では水野勝成の軍に配属され、目をみはるほどの武功をあげる。その恩賞として3万石を加増され、島原・４万石を拝する。

約7年の月日をかけ、島原城を築く。籠城も考えてか、城内にはクジラの肉が保存食として埋まっていたという。また、築城と現在にも続く町づくりを行う。島原の発展は重政が築城し、つくりあげた島原城と町づくりなしにありえなかっただろう。

約170年に渡る松平治世を築いた島原藩松平の祖

元和5年（1619年）、三河・吉田城（現在の愛知県豊橋市）にて生まれる。吉田を治めた後は三河・刈谷（現在の愛知県刈谷市）や、丹後・福知山（現在の京都府福知山市）を治めた。1669年に島原へ転封、豊州の地（現在の大分県豊後高田市）も拝領し、これをもって島原藩は7万石となった。

「文武両道こそ藩の基盤である」と言い、武道だけではなく、藩内での学問も推奨した。自身も学問に関心があり、様々な和書を蒐集した。忠房が蒐集した和書は現在にも伝わっており、肥前島原松平文庫として島原図書館に保管されている。

また近年、余白に忠房の考察が朱書きされた書籍も発見され、自らも研究を行っていたと推測される。